「開かれた学校」の活動が与える影響と可能性

〜東京都八王子市立柏木小学校・千葉県習志野市立秋津小学校の事例より〜

 

目的

     論文の章構成

はじめに

1章         現在の学校像

2章         「開かれた学校」の現状

3章         東京都八王子市立柏木小学校の事例

4章         千葉県習志野市立秋津小学校の事例

おわりに

 現在、学校教育の場ではいじめ、不登校、学びからの逃走、と様々な問題を抱えている。これらの根本的な原因のひとつとして現在社会の「人と触れ合う機会が少ない」状況があげられる。その状況を脱するために提案された「開かれた学校」に注目し、学校を開くことによりどのような効果があり、可能性を秘めているのかを「開かれた学校」の活動を実践している小学校2校から探り、全国の学校への、建設的な提言をすることを目的とし、研究を行った。

方法

 研究を行うにあたり、まず現在の学校の状況を把握するために「子どもの視点から」「学校制度」の2点から学校を探った。次に「開かれた学校」とはどのような活動か、どのような背景で生まれてきたか、を捉えた。それを踏まえたうえで実際に「開かれた学校」を実践している八王子市立柏木小学校、習志野市立秋津小学校の2校の活動に密着し観察、体験をし、活動に参加されている地域の方、保護者、また児童それぞれに対し3種類のアンケート調査を行った。

結果及び考察

 「開かれた学校」には「地域や家庭が学校を支える側面=学校教育の視点」「学校が地域や家庭を支える側面=生涯教育の視点」2つがあり、その両面からの働きかけで成立してきたことが分かった。柏木小学校ではクラブ活動に保護者や地域の人が学校の呼びかけで参加する、という活動をしており、前者の側面を持っている。そこでのアンケートでは児童には「コミュニケーション増加」「技術の向上」の2点のメリットが確認された。また地域の人、保護者には「学校の様子が分かった」「いろいろな子どもと触れ合えた」という意見があがっており、この取り組みが「人と触れ合う機会」を増やし現在の学校の諸問題のひとつの解決策となりうることが分かった。また秋津小学校では学校を中心に地域のコミュニティーが成立しており、空き教室を改造して地域の人の学びの場になっており、授業や行事にも地域の人の地域や技術が反映されているなど前者を含め後者の側面も持っている。ここでのアンケートはコミュニティーに参加している地域の方を対象にしたが・・・(まだ秋津をどうすればいいのか分かっていません)

 

まとめ

 「開かれた学校」の活動は現在の学校の危機的状況を脱するものになりうるということが分かった。しかし施設の鍵の問題や責任の問題から学校を開くことに学校側が消極的なのが現状である。その問題を解決し、学校を開くことにより、危機を脱するものだけではなく、学校が地域の大人の学びの場にもなる、という多大な可能性があることを示し、全国の学校が「開かれた学校」へとなっていくことに期待する。